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2025/03/25

働き方

管理職と部下が信頼関係を構築するコミュニケーションの方法

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土木・建設業界では離職率の高さが深刻な問題となっており、その背景には、業界全体に共通するさまざまな課題が複雑に絡み合っています。しかし、現場ベースでできる離職を防ぐ取り組みは、決して少なくありません。その取り組みのひとつとして、コミュニケーションのあり方の見直しが挙げられます。

 

現代の職場環境では、ただ指示を出すだけのトップダウンのリーダーシップではなく、従業員の声に耳を傾け、共感と対話を重視した「寄り添い型」のコミュニケーションが重要視されています。

 

一方で、土木・建設業界では「指示・命令型」のコミュニケーションが主流となっています。業界の特質上、上司(親方)が部下(若手)に指示を出し、作業を教えていくあり方は大切ですが、同じ内容でも伝え方を少し工夫するだけで、受け取り方は大きく変わります。

 

時代に即したコミュニケーションのポイントを押さえて、職場への長期定着者を増やしていきましょう。

 

土木・建設業における離職の現状

土木・建設業における離職の現状

建設業界における離職は、年々深刻さを増しています。特に熟練技術者の引退や新規人材の獲得難による人材不足の影響は多大です。離職の主な背景としては「高齢化による労働力の減少」「経済成長とインフラ需要の増加」「労働条件の問題」「若者の建設業離れ」の4つの要素が挙げられます。

 

中でも「若者の建設業離れ」においては、ジェネレーションギャップも課題として考えられるでしょう。また、これからの時代はジェンダーギャップについてもより意識し、人が定着しやすい環境づくりに取り組まなければなりません。

 

このような現場の問題は、管理職が適切なコミュニケーションを心がけることで改善する可能性があります。「伝わり方」を考えたコミュニケーションの方法を知り、活用しましょう。


【関連記事】若者の建設業離れは当たり前?離職の理由は企業と若手の認識ギャップにあった

離職を防ぐためのコミュニケーションの重要性

離職を防ぐためのコミュニケーションの重要性

管理職のコミュニケーションのあり方は、フィールドワーカー(現場従事者)のみならず、同じ会社で働く従業員の士気や業務効率に影響を与える大きな要素です。コミュニケーション次第で、職場全体の雰囲気も左右されるでしょう。

ベンナビ労働問題が2024年に行った調査「上司に感じる不満調査」によると「上司が理由で会社を辞めたいと思ったことがありますか?」の質問に対して、66.7%が「ある」と回答しています。また、そのうち39.7%が実際に退職・転職に至ったといいます。

 

これは建設業に限定しない調査であるものの、デスクワークが中心の職場環境よりも、信頼関係の構築が重要になると考えられるでしょう。なぜなら、土木・建設のフィールドワーク(現場の仕事)では、コミュニケーションの食い違いが大きな事故にもつながりかねないからです。


それでは、管理職にはどのようなリーダーシップが求められるのでしょうか。産業能率大学総合研究所の調査「今求められる管理職の役割とは?~2003年と2023年の新入社員が選ぶ理想の上司の変化から読み解く~」では、管理職のあり方について以下のように締めくくっています。

カリスマ的なリーダーシップから、「協調性」や「オープンで関わりやすい雰囲気」など、親身になって相談に乗る態度であったり、対等に話したりするといった「寄り添い型」「対話型」の姿勢に移り変わったと言えるでしょう。

このように、若者の意識変化に伴い、管理職に求められる役割も変化しています。管理職が自身のリーダーシップやコミュニケーションのあり方を変えていくことは、若者の離職を防いで会社や業界全体を持続的に成長させるためには、必要不可欠な取り組みです。

 

働くにあたって従業員の安心感やモチベーションを高められれば、「辞めたい」と考える従業員はおのずと減っていくでしょう。

エンゲージメントとは

従業員の士気を高めるにあたって、モチベーションのみならず、エンゲージメントにも注目してみてはいかがでしょうか。

 

「エンゲージメント(ワーク・エンゲージメント)」とは、会社や組織に対する愛着心の度合いを指す言葉です。エンゲージメントがモチベーションと異なるのは、愛社精神の有無にあります。働くモチベーションは高いに越したことはありませんが、それだけでは転職してしまうリスクも残ります。


一方で、エンゲージメントが高い従業員は転職を考えにくい傾向にあります。日本能率協会総合研究所(JMAR)の「働きがい1万人調査|働きがいに関するアンケート」によると、エンゲージメントが高い従業員は「直近3年以内に転職を考えたことはない」の回答が63.1%と、不満を抱いている層の39.5%と比較し大幅に高いことが分かります。従業員の離職を防ぎたい管理職は、エンゲージメント向上を目指した施策の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

エンゲージメントを高めるコミュニケーション

エンゲージメントを高めるコミュニケーション

土木・建設業は、社内のみならず、元請けと2次請けといった協力会社との関係性においても指揮命令系統型のコミュニケーションが多い業界です。同時に、そのようなコミュニケーション方式は、特に現代の若者には響きにくい傾向にあります。

 

このような状況下で、管理職が「寄り添い型」「対話型」のコミュニケーションを実践できれば、トップダウン型の他社との差別化ができ、離職防止につながると言えるでしょう。

 

従業員がエンゲージメントを高く保ち、長く働きたくなる会社づくりを推進するためにも、「伝わり方」を重視した3つのコミュニケーション手法を紹介します。

アイメッセージ

アイメッセージ(Iメッセージ)とは、自分の考えや感情について「私はこう感じている」のように「I=私」を主語に伝えるコミュニケーション手法です。

 

相手を非難するのではなく自分の思いを伝えることで、責めている印象を与えにくく、相手に防御反応を起こさせない効果があるとされています。

 

例えば「〇〇はいつも失敗してばかりだな」のような、相手を主語にするユーメッセージ(Youメッセージ)は、現代の職場コミュニケーションにおいてあまり適切ではありません。「私は、〇〇さんのミスが続いているため心配です」のように、主語を「私」に置き換えて伝えましょう。

 

アイメッセージを用いることで、相手が自発的に行動を起こしやすく、同時に尊重されている意識も生まれ、信頼関係が深まりやすい傾向にあるとされています。

 

さらに「会社として、まさに〇〇さんのような意見を求めていたよ」のように、従業員を褒める際に主語を「私」ではなく「会社」にすることで、エンゲージメントの向上も期待できるでしょう。

アクティブリスニング

アクティブリスニングとは、相手の話をただ聞くだけでなく、意図を理解しようとする姿勢のことです。相手が話している内容を確認したり、要約しながら反応することで、相手は「自分の話がしっかり伝わっている」と感じ、聞き手への信頼感を高めます。

 

アクティブリスニングと似た手法として「傾聴」が挙げられますが、ビジネスにおいて、アクティブリスニングは「傾聴」と同義と捉えてよいでしょう。あるいは「積極的傾聴」と呼ばれるケースも散見されます。

 

アクティブリスニングの実践には、まず相手の話に耳を傾けましょう。その上で「つまり、〇〇したのに、△△になってしまったということですよね?」のように、要所で内容を要約して確認することが、アクティブリスニングの手法です。

 

アクティブリスニングは、事実の確認が必要なシーンはもちろん、感情的な事柄に対しても本領を発揮する手法と言えるでしょう。

 

「こんなことで困っているんですね」「なるほど、そこに不安を感じていたんですね」のようにアクティブリスニングを実践することで、従業員は安心して悩みを共有できるようになります。

ポジティブフィードバック

ポジティブフィードバックとは、相手の行動の良かった点や成果に対して、前向きな言葉で評価する手法です。

 

相手のモチベーションや自信を引き出すのに効果的で、特に、努力や成果を認められた従業員は、求められる行動を自発的に続けようとする傾向があるとされています。

 

ポジティブフィードバックでは、単に「今日は良かったね」と褒めるのではなく、「このときこうしてくれたおかげで、今日はスムーズに進んだね」のように、具体的な行動を評価することが大切です。

 

これにより、従業員はどのような行動が評価されるかを理解でき、積極的な姿勢で業務に取り組めるようになるでしょう。

エンゲージメントを高める組織作り

エンゲージメントを高める組織作り

従業員がエンゲージメントを高く保って働くために、日頃のコミュニケーションは大切です。離職を防ぐためにはキャリアパスの明確化や健康促進といった取り組みも同時に推進していきましょう。

キャリアパスの明確化

国土交通省が運用する「建設キャリアアップシステム」では、運用目的のひとつとして「キャリアパスと処遇の見通し」を掲げています。そのことからも、土木・建設業界における若手人材の離職は、キャリアパスの不透明さも一因として考えられるでしょう。

 

昇進・昇格の基準を明確化し、キャリアの道筋を示すことは、従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上につながります。どのようなスキルや資格を身に付ければキャリアアップできるのかを明示し、成長をサポートできる環境を整えましょう。

 

【関連記事】実務経験なしで取得可能!建設現場で安全に働くための国家資格7選

【関連記事】土木・建築の現場に活かせる「主任技術者」「監理技術者」の資格一覧

ワークライフバランスの推進

土木・建設業界における長時間労働は、長年の間、課題とされているテーマです。従業員が家庭や休暇も大切にできるようにワークライフバランスが改善されれば、長く健康的に働いていけるでしょう。

 

ワークライフバランスがとれず、働きづめになった従業員は、体調を崩したり、集中力を欠いたりしてしまう傾向にあります。労働災害を防いで会社を持続的に発展させるためにも、有給休暇取得の促進やDXによる業務効率化を図りながらワークライフバランスを推進して、健康経営の実現に向けて取り組んでいきましょう。

 

【関連記事】労働災害を防ぐ!土木・建設業における安全管理のポイントと事例

コミュニケーションや組織作りで離職を防ぐ

管理職と部下のコミュニケーションのあり方は、時代と共に変化しています。それは土木・建設業界においても同様に言えるでしょう。従事者の年齢層が高い業界であるからこそ、管理職の意識の変化に遅れが出ていないか、今一度振り返ることが大切です。

 

また、キャリアパスやワークライフバランスを重視する取り組みも、業界全体でますます注目されてきています。コミュニケーションの改善や組織作りのポイントを押さえることで、従業員の離職を防ぎ、長期的な定着を促進しましょう。

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ニュース

イベント

Start Date
2025/09/12
End Date
2025/09/12
Event Details

日程:2025年9月12日(金)10:00~17:00

会場:福岡商工会議所 会議室 B1-C(福岡県福岡市)

参加費:無料(事前予約制・先着順)

主催:株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン

 

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Start Date
2025/09/11
End Date
2025/09/11
Event Details

日程:2025年9月11日(木)10:00~17:00

会場:広島YMCA国際センター 3号館 3-D会議室(広島県広島市)

参加費:無料(事前予約制・先着順)

主催:株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン

 

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Start Date
2025/09/03
End Date
2025/09/04
Event Details

日程:2025年9月3日(水)9:00~17:00、4日(木)9:00~16:00

会場:盛岡地区勤労者共同福祉センター 大ホール(岩手県紫波郡)

主催:株式会社岩手測器社、株式会社建測システムサポート

共催:一般社団法人日本建設機械施工協会 東北支部

 

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