- Start Date
- 2025/12/23
- End Date
- 2026/02/10
- Event Details
-
日程:
2025年12月23日(火)
2026年2月10日(火)
開催場所:関東トレーニングセンタ
参加費:無料(事前登録制)
主催:株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン、福井コンピュータ株式会社
- URL
- /content/topcon-pa/jp/ja/events/2025/3d-data-trial-kanto-fukui-computer-2h.html
- Target
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働き方
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?導入メリットや事業者登録の流れなどを解説
「建設キャリアアップシステム(CCUS/Construction Career Up System)」とは、建設技能者一人ひとりの資格や現場経験を業界共通のデータベースに登録・蓄積し、その能力を客観的に評価するための仕組みです。
建設作業に従事する技能者のスキルが正当に評価されることで、キャリアアップや処遇改善につながります。事業者にとっても、人材育成や現場管理の効率化といったメリットがあり、建設業界全体の活性化を目指すものとして2019年から本格運用が始まりました。
しかし、登録には申請や費用がかかることから、未登録の技能者や事業者も少なくありません。そこで、本記事ではCCUSの目的や、メリットならびに留意点、登録の流れから今後の展望まで、分かりやすく紐解きます。
【 目次 】
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは
建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設業に従事する技能者の資格や社会保険の加入状況、これまでの就業履歴などを登録・蓄積し、適正な能力評価につなげる仕組みです。国土交通省の主導のもと、一般財団法人建設業振興基金が2019年4月に運用を開始しました。
運用の背景には、建設業界が抱える深刻な課題と、未来に向けた明確な目的があります。
【参考】国土交通省「建設キャリアアップシステムの取組について」
建設業界の課題
現在の建設業界は、以下のような構造的な課題に直面しています。
技能者の高齢化・若手不足
長時間労働の常態化
社会保険の未加入問題
国土交通省の調査によると、建設技能者の4人に1人以上が60歳以上であり、近い将来ベテラン層の大量離職が避けられない状況です。一方で、若手(30歳未満)の割合は低く、人手不足は業界全体の喫緊の課題となっています。こうした労働環境の問題が、若手の確保をさらに難しくしている一因です。
これらの課題を解決し、建設業界を魅力ある職場へと変革するために、CCUSの活用に大きな期待が寄せられています。
【参考】国土交通省「建設業を取り巻く現状と課題について」
【参考】厚生労働省「建設業の人材確保・育成に向けて(令和8年度予算概算要求の概要)」
建設キャリアアップシステム(CCUS)の目的
CCUSが目指すのは、単なる情報登録ではありません。その先にあるのは3つの大きな目的です。
技能者の処遇改善
人材の確保と育成
建設現場の生産性向上
建設業の技能者は、さまざまな現場で経験を積んでいくため、その能力が統一的に評価されにくいといった課題があります。そこで、業界統一のデータベースでスキルを「見える化」し、客観的かつ公正な評価と待遇につなげるのが、CCUSの狙いです。
スキルに応じたキャリアパスを明確にすることは、若い技能者が長く安心して働き続けられる環境の整備にもつながります。
また、現場でのデータ活用を通じて処遇改善や現場管理の効率化を推進し、より働きやすく人が集まる建設業界を実現するのも、CCUSの目的のひとつです。
【参考】国土交通省「建設キャリアアップシステムの目的」
建設キャリアアップシステム(CCUS)は義務?
CCUSは、2023年から原則義務化されています。ただし「登録」は任意であり、登録しなくても罰則はありません。現在、国土交通省は公共工事での活用を原則化するなど、その普及を強力に後押ししています。
- 建設業退職金共済制度(建退共)との連携
CCUSの就業履歴に基づき、退職金の掛金が正確に充当される仕組みへと移行が進んでいます。 - 社会保険加入の確認
現場での社会保険加入状況の確認に、CCUSの活用が原則化されています。 - 公共工事での活用
国の直轄工事では、CCUSの活用を前提としたモデル工事を実施済みです。
こうした動きから、CCUSへの対応は「事実上の標準(デファクトスタンダード)」となりつつあり、今後は地方自治体や民間工事においても不可欠な要素と言えるでしょう。
【参考】国土交通省「建設キャリアアップシステム普及・活用に向けた官民施策パッケージ」
建設キャリアアップシステム(CCUS)導入のメリットと留意点
CCUSの導入は、技能者と事業者の双方にメリットをもたらします。一方で、事前に知っておくべき留意点も存在します。
技能者のメリットと留意点
CCUSの導入は、技能者のスキルを客観的な価値として積み上げ、長期的なキャリアプランを形成するために役立ちます。
メリット
スキルや経験を客観的に証明できる
新しい現場でも、CCUSカード1枚で自身の能力を正確に伝えられ、正当な評価につなげられます。
正当な処遇が期待できる
経験や資格が「見える化」されることで、能力に見合った賃金や役割を得やすくなります。- 退職金の積み立てが担保される
就業履歴が自動で記録されるため、建退共の掛金が漏れなく充当され、将来の退職金を確実に積み立てられます。
留意点
- 登録料がかかる
技能者登録には、所定の費用が必要です。 - 情報の追加・更新が必要
資格取得などの際は、自身で情報を追加・更新する手間がかかります。
CCUSの事業者登録は、雇用事業主による代行申請も可能です。社会保険情報などを正確に登録するためにも、事業主による代行申請が推奨されています。
【参考】建設キャリアアップシステム「ご利用方法・料金」
事業者のメリットと留意点
事業者にとってCCUSの導入は、日々の労務管理が効率化できるだけでなく、企業の競争力と信頼性を高める経営戦略の一環にもなります。
メリット
- 労務管理(出面管理)を効率化できる
カードリーダーで就業履歴を自動記録できるため、手作業による管理の手間やミスが大幅に削減されます。 企業の技術力をアピールできる
所属する技能者のスキルレベルを客観的に示せるため、元請事業者への強力なアピール材料となり、受注機会の増加につながります。外国人労働者の活躍を推進できる
外国人労働者の資格や就業状況の確認が容易になり、適切な人材配置が促進されます。公共工事の入札で有利になり得る
CCUSの登録・活用は、公共工事の入札における加点評価の対象となる場合があります。
留意点
導入コストと手間がかかる
事業者登録料、管理者ID利用料、現場利用料といった費用に加え、現場へのカードリーダー設置などの準備が必要です。
なお、導入にかかる費用や手間を軽減するため、国や自治体による補助金・助成金制度が設けられています。こうしたサポートを活用することで、企業の負担を抑えつつ、円滑に導入できるでしょう。
【参考】建設キャリアアップシステム「ご利用方法・料金」
建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録から運用まで
CCUSをスムーズに導入するため、登録から運用までの流れを確認しておきましょう。
Step1:技能者情報を登録する
まずは、インターネットまたは認定登録機関にて、技能者本人または雇用事業主が基本情報を登録します。登録時には技能者登録料がかかります。
また、登録方式には、本人情報や社会保険情報などの必須情報のみを登録する「簡略型」と、保有資格や追加情報を登録できる「詳細型」の2種類が用意されています。簡略型との差額の登録料を支払うことで、詳細型への変更も可能です。
技能者登録料
| 申請方法 | 登録料(税込) |
|---|---|
| インターネット |
|
| 認定登録機関 | 詳細型 4,900円 |
【出典】国土交通省|【CCUSポータル】能力評価制度について
CCUSカードは、技能者の能力に応じて4つのレベル(カラー)がありますが、登録時には、すべての技能者にレベル1の白色のカードが発行されます。
レベル1(白):初級技能者
レベル2(青):中堅技能者
レベル3(シルバー):職長として現場に従事できる技能者
レベル4(ゴールド):高度なマネジメント能力を有する技能者
レベル2以上のCCUSカードを取得するためには、国土交通大臣認定を受けた分野ごとの能力評価実施団体へ、能力評価申請を行う必要があります。能力評価実施団体は「【CCUSポータル】 能力評価分野及び申し込み先」から確認できます。
【参考】国土交通省「【CCUSポータル】能力評価制度について」
Step2:事業者情報を登録する
次に、下請事業者や元請事業者は、商号や所在地、建設業許可情報など、自社の事業者情報を登録します。インターネット申請のほか、認定登録機関の窓口での申請も可能です。窓口での申請の場合、ほとんどの機関が予約制であるため、事前に電話で問い合わせましょう。
事業者登録料は事業者の資本金額をもとに決められています。審査完了後に登録料を支払うと、事業者(企業)を識別するための事業者IDと、事業者情報を管理するための管理者IDが発行されます。
事業者登録料
| 資本金 | 登録料(税込) |
|---|---|
| 一人親方 | 0円 |
| 500万円未満(個人事業主含む) | 6,000円 |
| 500万円以上1,000万円未満 | 12,000円 |
| 1,000万円以上2,000万円未満 | 24,000円 |
| 2,000万円以上5,000万円未満 | 48,000円 |
| 5,000万円以上1億円未満 | 60,000円 |
| 1億円以上3億円未満 | 120,000円 |
| 3億円以上10億円未満 | 240,000円 |
| 10億円以上50億円未満 | 480,000円 |
| 50億円以上100億円未満 | 600,000円 |
| 100億円以上500億円未満 | 1,200,000円 |
【参考】一般財団法人建設業振興基金「建設キャリアアップシステム 登録料と利用料」
Step3:現場・契約情報を登録する
工事開始前に、元請事業者の管理者ID保有者が、現場・契約情報を登録します。規模や工期に関わらず、すべての現場を登録する必要があります。現場・契約情報の登録内容は「現場情報」「契約情報」「工事情報」の3つの情報から構成されています。
現場・契約情報の登録内容
| 現場情報 | 必ず登録 |
|
|---|---|---|
| 契約情報 | 必要に応じて登録 |
|
| 工事情報 | 必要に応じて登録 |
|
【参考】一般財団法人建設業振興基金「建設キャリアアップシステム 元請事業者の現場・契約情報の登録」
その後、下請事業者は「現場作業員一覧」に、現場に入る技能者の情報を登録します。
技能者情報の登録内容
| 職種 | 技能者が登録している職種からプルダウンして選択(とび工、鉄筋工など) |
|---|---|
| 作業内容 | 自由記入 |
| 立場 | プルダウンして項目から選択(職長、班長など) |
| 有害物質の取り扱い | チェックボックスの項目から選択、または「その他」の項目から自由記入 |
| 特殊健康診断 | プルダウンして項目から選択(有機溶剤、鉛、石綿など) |
| 資格 | 技能者が登録している資格からプルダウンして選択(技能士、資格・免許、技能講習など) |
【参考】国土交通省「建設キャリアアップシステム下請事業者向け手引き【現場利用のポイント】」
Step4:就業履歴を蓄積する
元請事業者は現場にカードリーダーを設置し、技能者は入場・退場の際にCCUSカードをタッチします。これにより、日々の就業履歴が正確かつ自動的にシステムへと蓄積されていきます。
建設キャリアアップシステム(CCUS)の運用状況と展望
2019年の本格運用開始から約6年、2025年8月の登録技能者数は約171万人、事業者数は約30万社と、CCUSはインフラとして定着しつつあります。累積就業履歴数は2億2,000万件を突破しており、現場での利用も着実に増加しています。
【引用】国土交通省|建設キャリアアップシステムの利用状況(2025年8月末)
国土交通省によると、2025年度からの3年間は、「登録する」段階から、蓄積されたデータを「活用する」フェーズへの移行フェーズとなっています。具体的には、技能レベルに応じた賃金体系の普及や、システムに蓄積されたデータを用いた安全書類作成の効率化など、より具体的なメリットの創出が進められる計画です。
【参考】国土交通省「建設キャリアアップシステムの利用状況(2025年8月末)」
【参考】国土交通省「CCUS 利用拡大に向けた3か年計画(概要)」
建設キャリアアップシステム(CCUS)は建設業の未来への投資
建設業界では、建設技能者が異なる発注事業者や元請事業者の現場で働いているため、個人の能力を定量的に評価する業界横断的な仕組みが存在しません。そのために、建設業界は技能者本人のスキル向上が処遇改善に直結しないという構造的な課題を抱えています。
しかし、本記事で紹介した建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用すれば、そのような課題が解消される可能性があります。技能者のキャリアが適正に評価されるとともに、賃金にも反映されやすくなるためです。
そのような利点もあり、CCUSの活用はもはや建設業界のスタンダードとなりつつあります。公共工事入札で加点対象となるといった事業者側のメリットも大きいため、積極的に活用していくと良いでしょう。
監修者 小村渉(おむらわたる)
行政書士
大学卒業後、株式会社山陰中央新報社に入社し、経済記者として建設業分野を担当。2020年からはフリーランスとして、SaaS系メディアでの編集・執筆や、外資系SaaS企業との協業実績を重ねている。2025年5月に松江市内で行政書士事務所を開業し、建設業許可や補助金申請代行などを専門に活動している。2025年9月には、企業のオウンドメディア記事の制作代行などを手掛ける山陰メディアプロダクション合同会社を設立した。
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- 2025/11/27
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- 2025/11/27
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『建築向けワンマン位置出し機「楽位置」ミニ体験会』高崎で開催
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日程:2025年11月27日(木)10:00~17:00
会場:総合福祉センター 体育館(群馬県高崎市)
参加費:無料(事前予約制・先着順)
主催:株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン
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- /content/dam/topcon-pa/jp/ja/event/2025/rakuichi-minidemo/rakuichi-minidemo-nov-takasaki.pdf
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TOPCON × KENTEM 共催『面トル体験セミナー』関東トレーニングセンタで開催
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日程:
2025年11月26日(水)
2025年12月17日(水)
2026年1月20日(火)
2026年2月25日(水)
開催場所:関東トレーニングセンタ
参加費:無料(事前登録制)
主催:株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン、KENTEM(株式会社建設システム)
- URL
- /content/topcon-pa/jp/ja/events/2025/3d-data-trial-kanto-kentem-2h.html
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