レイヤリングシステムとは、「ベースレイヤー」「ミドルレイヤー」「アウターレイヤー」という機能の異なる3層のウェアを重ね着し、天候や運動量に応じて衣服内を快適に保つための仕組みです。建設現場はもちろん、登山やアウトドアでも重要視されています。

それぞれの層の役割は、以下の通りです。

レイヤリングのメリットは、各レイヤーを着脱して体温調節でき、気温や作業量の変化に柔軟に対応しやすいことです。複数のウェアをうまく組み合わせれば、寒い季節でも快適に作業できるでしょう。

本記事では、主にアウターレイヤーに着目して紹介します。

建設現場に適した防寒着を選ぶときは、防水・撥水性能や中綿の素材などに注目しましょう。以下、選び方のポイントを詳しく解説します。

屋外での作業が中心となる場合は、雨や風などから身を守る必要があります。そこで注目したいのが防水・撥水・防風性能ですが、それぞれの違いがよく分からないという人もいるでしょう。

各性能の違いは以下の通りです。

特に防水と撥水は似ているようですが、通気性が大きく異なります。防水の場合は生地を隙間なく覆うため、通気性が悪くなることもあります。一方、撥水の場合はシリコンやフッ素などでコーティングしますが、生地の隙間は残っているため通気性が保たれ、蒸れを防ぐことが可能です。

防寒着を選ぶときは、中綿の素材にも注目しましょう。代表的な素材の特徴やメリット・デメリットは下表の通りです。

ウールやダウンは保温性が高く、一般的な防寒着によく採用されますが、中綿が詰まりすぎていると動きにくいため、ワークシーンでは不向きな恐れもあります。購入するときは作業に支障が出ないか、チェックしておきましょう。

建設現場の防寒着に求められるのは、防水性や保温性だけではありません。以下のような機能についても確認しておく必要があります。

特にストレッチ性が低いと、体の動きが妨げられ、作業効率が低下してしまう恐れもあります。

また、現場では資材や工具を抱えて持つ動作が多く、腕や脇、腰まわりが擦れることも少なくありません。そのため、耐久性・耐摩耗性や補強布の有無もチェックしておくと安心でしょう。

着用に適した防寒着やその特徴・機能は、作業場所や作業内容から選ぶことも可能です。

特に高所や足場作業では、ストレッチ性が安全に直結します。腕を伸ばしても同時に生地が伸びずに動きが制限されると、バランスを崩す原因になってしまいます。安全面からも必ず試着をし、腕の上げ下げや屈伸動作を確認しましょう。

想定される作業に応じて防寒着を選べば、作業効率や快適性の向上につながります。

防寒着を購入するときは、先ほど紹介したレイヤリングについても意識しましょう。防寒着というとジャケットなどの「アウターレイヤー」をイメージするかもしれませんが、「ベースレイヤー」や「ミドルレイヤー」をうまく組み合わせると、より快適性が高まります。

例えば、すでにジャケットやブルゾンを持っているなら、ベースレイヤーやミドルレイヤーの防寒着を購入すると良いかもしれません。各レイヤーの役割を理解した上で防寒着を選べば、寒い冬を快適に乗り越えられるでしょう。

フィールドワーカー向けに、おすすめの防寒着をピックアップしました。人気メーカーの最新モデルをまとめていますので、防寒着選びの参考にしてください。

※在庫については各社へお問い合わせください