- Start Date
- 2025/07/08
- End Date
- 2025/09/17
- Event Details
-
日程:
2025年7月8日(火)
2025年8月8日(金)
2025年9月17日(水)
開催場所:関東トレーニングセンタ
参加費:無料(事前登録制)
主催:株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン、福井コンピュータ株式会社
- URL
- /content/topcon-pa/jp/ja/events/2025/3d-data-seminar-kanto-fukui.html
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働き方
女性が働きやすい建設業に!活躍しやすい職種や企業の取り組み事例

建設業(土木・建築業)は依然として男性の就業比率が高く、特に技術者や技能者として働く女性の割合は10%未満に留まっています。業界の持続的な発展には、多様な人材の活躍が不可欠であり、その中でも、女性の雇用促進は重要な課題のひとつです。女性が働きやすい環境を整えることは、業界全体のイメージ向上にもつながります。
まずは女性の就業率が低い要因を明確にし、段階的に課題を解決していくことが求められます。また、女性が活躍しやすい職種への採用を積極的に進めることも、有効なアプローチのひとつです。女性が活躍しやすい職種や、企業の取り組み事例について紹介します。
建設業における女性の就業状況

建設業は、女性の就業割合が低い業界のひとつです。国土交通省の「令和6年度建設産業における女性定着促進に関する実態等調査結果(アンケート調査)」によると、土木や建築のフィールド(現場)で働く技術者・技能者の女性比率は10%未満とされています。これには、体力的な負担をはじめとするさまざまな懸念が考えられます。
しかし業界全体で見ると、女性の就業者数は徐々に増加傾向にあります。先ほどの調査によると、事務職における女性の割合は38%に達し、フィールドワーク(現場の仕事)以外の職種では一定の進展が見られます。
フィールドワークにおける女性の就業については課題が残る状況ですが、パワーアシストスーツやDX技術の導入などによって、体力的な負担を軽減することが可能です。幅広い職種で女性の就業促進が進めば、多様な人材が働きやすい環境が整備され、フィールドワークの労働環境改善にもつながるでしょう。
建設業の現場に女性が少ない理由

建設業における女性の就業率が低い理由として、業界全体でイメージの改善に取り組んでいるものの、いまだに払拭しきれていない「3K(きつい・汚い・危険)」という印象に加え、以下のような課題が挙げられます。
体力的な負担が大きい
建機の操作や資材運搬などには一定の体力が求められます。男性と同じ業務を担当することで、体力的なハンデを感じる女性は少なくありません。
女性向けの設備が整っていない
長年、男性中心の環境が続いてきた建設業では、女性専用の更衣室やトイレの整備が遅れています。国土交通省の「令和6年度建設産業における女性定着促進に関する実態等調査結果(アンケート調査)」を見ると、100人未満の中小企業では更衣室やトイレの未整備率が高く、女性が快適に働ける環境が確保されていないことが分かります。
キャリアパスに課題がある
建設業界では女性の技術者や管理職が少なく、ロールモデルが不足しています。そのため、キャリアを積んだ先にどのような未来があるのかが見えづらく、女性が建設業界を就職先として選びにくい状況が続いています。
産休・育休制度が不十分
大手企業では産休・育休制度の取得が進んでいるものの、中小企業では代替人材の確保が難しく、長期間の休暇取得が困難な場合があります。また、育児休暇後の復職が難しいケースも多く、女性のキャリア継続の障壁となっています。
紫外線や乾燥による肌トラブルの懸念
屋外作業が中心となるフィールドワークでは、直射日光や粉塵などの影響を受けやすく、日焼けや乾燥といった肌トラブルのリスクがあります。こまめに日焼け止めを塗り直したり、保湿スプレーを使ったりといった対策が十分にできないことも少なくありません。
無意識のハラスメントが発生しやすい
建設業界では、女性がまだ少ない現状があり、男性が中心となってきたこれまでの職場環境が影響しやすくなっています。女性が少数派であるために、時に周囲の理解が得られにくかったり、コミュニケーションや業務の進め方において、意図せずとも負担を感じさせてしまったりするような状況が生まれてしまうかもしれません。
建設業における女性の活躍がもたらすメリット

女性の雇用を促進するためには、労働環境の改善が欠かせません。女性が建設業に参画することで、業界全体にどのようなメリットがあるのかを考えてみましょう。
人手不足の解消につながる
女性の雇用が進むことで、慢性的な人手不足の解消が期待できます。建設業界では従業員の高齢化が進み、若手人材の確保が急務となっています。そのため、新たな労働力として女性が活躍することは、業界にとって大きなメリットとなるでしょう。
国土交通省の「建設業を巡る現状と課題」によると、2022年(令和4年)時点でフィールドワーカーの約3人に1人は55歳以上で、2030年には技能労働者の大幅な不足が懸念されています。これまで男性が中心だった建設業に女性が加わることで、新しい人材の確保が進み、人手不足の解消につながる可能性があります。
業界のイメージ向上につながる
建設業は力仕事が多く、男性が中心の職場というイメージが根強く残っています。しかし、近年では技術の進歩やDXにより、建機の操作やデジタル技術を活用した施工管理など、スキル重視の時代へと変化しつつあります。
女性の進出が進めば、こうした業界のイメージも変わり、「誰もが活躍できる職場」としての認知が広がることが期待されます。特に若い世代や異業種からの転職希望者にとって、「働きやすく、多様な人材が活躍できる業界」という印象が強まれば、新たな人材確保にもつながるでしょう。
多様性が向上し、働きやすい環境が整う
多様な人材が集まることで、職場のコミュニケーションが活発になり、組織の柔軟性が高まるでしょう。女性の増加に伴い、業務改善や働き方の見直しも期待できます。
また、育児や介護と仕事を両立できる制度が整えば、男性社員にとっても働きやすい環境が生まれます。これにより、ワークライフバランスの向上、社員の定着率の向上、さらには離職率の低下につながるでしょう。
女性目線の設計により、顧客満足度が向上しやすい
女性が設計業務に関わることで、女性のニーズに応える建築デザインが実現します。住宅や商業施設、公共施設の設計に女性の意見が反映されれば、より実用的で快適な空間を提供できるでしょう。
例えば、ショッピングモールや駅のトイレ、授乳室、パウダールームなどの設計では、男性が気づきにくい細かな配慮が施され、利便性の高い施設が誕生します。こうした女性視点のデザインは、顧客満足度の向上につながるだけでなく、企業のブランディング強化も期待できます。
女性が活躍しやすい建設業の職種

建設業には、デスクワークからフィールドワークまで、女性が活躍できる職種が数多くあります。自分の適性やスキルに合ったキャリアを見つけることが重要です。
営業
建設業の営業職は、企業や自治体、個人顧客に対して建設プロジェクトを提案する仕事です。クライアントのニーズを把握し、最適な工事計画を提案するため、専門知識に加えてコミュニケーション力や提案力が求められます。デスクワークと外回りのバランスが取れており、柔軟な働き方がしやすい点が魅力です。
IT・システム担当
建設業でもDXが進み、デジタル技術やITの専門知識を持つ人材が求められています。具体的な業務としては、施工管理のデジタル化、業務効率化のためのソフトウェア導入、ITシステムの管理、データ分析などが挙げられます。ITスキルを活かしながら、建設業の働き方改革に貢献できる職種です。
設計
建築物や土木構造物の設計や図面作成を担当する仕事です。環境や耐震性、法的規制などを考慮しながら、安全で機能的なデザインを考えることが求められます。空間設計やインテリアデザインに女性の感性を活かせる分野でもあり、美しさと実用性を兼ね備えた建築を実現できます。
CADオペレーター
建築や土木の図面を作成する専門職で、デスクワークが中心の職種です。CADソフトを活用して精度の高い設計図を作成し、スムーズな工事進行をサポートします。正確性が求められるため、細かい作業が得意な人に向いています。
積算・事務
工事費用の見積もりや経費管理を行う職種です。工事の予算管理、契約書・請求書の作成、支払い処理などを担当するため、正確な計算能力や事務スキルが求められます。フィールドワークとは異なり、デスクワークが中心となるため、女性が比較的働きやすい職種と言えるでしょう。
施工管理
施工管理は、工事の進捗や安全管理、品質管理を担当する職種です。力仕事は少なく、主に工程の確認や進捗調整、安全対策の実施などが業務の中心となります。問題解決能力や柔軟な対応力が求められるため、コミュニケーションスキルを活かして活躍できる職種です。
建設コンサルタント
施工管理と似た業務を担いますが、建設コンサルタントはプロジェクト全体の計画や戦略立案を主に担当します。
施工管理が現場の安全管理や進行を監督するのに対し、建設コンサルタントは工事計画の確認や改善、リスク管理を行い、より効率的な工事運営を支援します。現場の状況を把握しながら戦略的な提案を行うため、広い視野が求められる職種です。
測量
土地の形状や大きさ、位置関係を調査・記録する仕事です。最新のDX技術を活用したレーザースキャナーやドローンなどの導入も増え、以前に比べて作業負担は大きく軽減されており、働きやすくなっています。
女性の雇用推進に取り組む企業の事例

国土交通省は、建設業界における女性の活躍と定着を促進するため「建設産業における女性活躍・定着促進に向けた実行計画検討会」を設置し、継続的に議論を重ねています。2025年2月に開催された第3回検討会の各種資料では、休業・時短制度や職種転換、スキルアップ施策など、企業が取り組むさまざまな施策が紹介されました。
女性の働きやすさを向上させるための、具体的な取り組みについて紹介します。
長く働きやすい制度の導入
女性の雇用を推進し、安心して働き続けられる環境を整えるため、多くの企業が休業・時短勤務制度の拡充に取り組んでいます。特に、育児や介護を担う社員が柔軟に働けるよう、フレックスタイム制やテレワークの導入を進める企業が増加しています。
・復職後の時短勤務
・育児や介護のための時差出勤や1時間単位で取得できる有給休暇
・年次有給休暇の2年繰越可能、リフレッシュ休暇
・コアタイムの無いフレックス制を育児休業から復帰した者が選択できる
・女性だけでなく、男性社員にも子どもの看護休暇を有給で子ども一人につき5日まで付与
・再雇用制度(結婚、妊娠、出産、育児、介護、配偶者の転勤で退職したもの)
こうした制度が整備されることで、女性だけでなく男性社員にとっても働きやすい環境が生まれ、職場全体のワークライフバランスの向上が期待されます。
スキルアップやキャリア支援
女性がキャリアを築きやすいよう、職種転換やスキルアップ支援を通して社員一人ひとりの成長をサポートする企業も増えています。
職種転換
・技能者の女性で子育てが始まっても、技術者に転籍して自宅からリモートで現場のサポート(施工図の作成や積算)ができる環境を構築
・現場から内勤への職変更
スキルアップ施策
・技術士取得、継続学習制度(CPDS・CPDなど)での単位取得、建設ディレクター育成
・スキルアップのための補助、資格取得後の手当付与等の仕組みづくり
・女性社員のキャリア開発推進をメインに外部コンサルタントに依頼
・メンター制度を導入し女性にも人材育成の一翼を担わせる
女性の雇用が増加しても、離職率が高ければ意味がありません。女性がスキルを磨き、長期的に働ける環境を整えることが重要です。
女性専用のトイレ・更衣室の設置
移動式簡易トイレの使用をはじめとする、女性が快適に利用できるトイレや更衣室の整備も進んでいます。その中でも、特に目立った取り組みを紹介します。
配置
・着替えが可能なスペースを確保し、更衣室も兼ねる設備とする
・周りを囲って出入りが見えないようにする
・トイレの外周フェンスの他に、現場事務所と連結した屋根を設置することで、降雨雪で濡れるのを防ぐほか、夏の直射によりトイレ内の暑さや臭いを軽減
維持・管理
・現場トイレの床にカーペットを設置し、土足禁止とすることで維持管理(清掃)をしやすくする
・掃除を各社の持ち回りにすると、自分たちが使うので汚れにくい。あとは職長自らが掃除をすることで、快適に保たれることが多い
建設業のフィールドでは、女性向けの設備が不足しているケースが多くあります。こうした設備の改善は、女性がより快適に働ける環境整備の第一歩と言えるでしょう。
女性の就業を増やすためにできる取り組みから始めよう
建設業における女性の雇用促進は、業界の持続可能な成長のために不可欠な要素です。多様な人材が活躍できる環境を整えることで、建設業はより柔軟な業界へと進化していくでしょう。
しかし、特にフィールドワークにおいては、依然として女性が働きにくい環境や課題が残っています。こうした状況を改善するためには、制度や支援体制の充実が欠かせません。
例えば、
・キャリアパスの確立(昇進や専門性向上の機会の提供)
・ライフステージに応じた柔軟な働き方(育児・介護との両立支援)
・現場での安全対策の強化(労働環境の整備)
といった取り組みを推進することで、女性が活躍しやすい環境が整い、業界全体のイメージ向上にもつながります。その結果、新たな人材の確保や、持続的な成長にも大きく貢献できるでしょう。まずはできることから取り組みを始め、誰もが働きやすい建設業を実現していきましょう。

監修者 松本幸一(まつもとこういち)
社会保険労務士
ハローワーク正職員時代に社会保険労務士試験に合格。その後、社会保険労務士事務所、プライム上場企業人事部勤務を経て、現在は開業社会保険労務士として建設業を含め幅広い業種の顧問先の労務管理に携わる。
働き方のコラム
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ニュース
新着情報
- 2025/06/05 『女性が働きやすい建設業に!活躍しやすい職種や企業の取り組み事例』を公開しました
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- 2025/05/16 『建築DX体験型施設BuildTech|最先端のデジタル化建築施工に触れてみよう』を公開しました
イベント
- Start Date
- 2025/06/27
- End Date
- 2025/08/26
- Event Details
-
日程:
2025年6月27日(金)
2025年7月15日(火)
2025年8月26日(火)
開催場所:関東トレーニングセンタ
参加費:無料(事前登録制)
主催:株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン、KENTEM(株式会社建設システム)
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- /content/topcon-pa/jp/ja/events/2025/3d-data-seminar-kanto-kentem.html
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- _self
- Start Date
- 2025/06/24
- End Date
- 2025/06/26
- Event Details
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日程:
2025年6月24日(火)10:00~17:00 NOCプラザ 203号室(新潟県新潟市)
2025年6月24日(水)10:00~17:00 富山県教育文化会館 会議室503号室(富山県富山市)
2025年6月24日(木)10:00~17:00 金沢市異業種研修会館 第5研修室(石川県金沢市)
参加費:無料(事前予約制・先着順)
主催:株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン
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