- Start Date
- 2026/07/15
- End Date
- 2026/07/17
- Event Name
-
『設備向け 墨出しソリューション体験会』関東トレーニングセンタで開催
- Event Details
-
日程:2026年7月15日(水)~ 17日(金)10:00~16:30
会場:関東トレーニングセンタ
参加費:無料(事前予約制・先着順)
主催:株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン
- URL
- https://bc.topconpositioning.asia/setsubi2026
- Target
- _blank
時事問題
夏季休工が建設業のスタンダードに?「猛暑対策サポートパッケージ」の施策内容と事例10選
「夏季休工」という言葉が、建設業界ニュースや発注仕様書などで散見されるようになりました。2025年末に策定された「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」により、夏季休工はこれからの建設業の働き方のスタンダードになっていくかもしれません。
2025年、職場における熱中症による死傷者数は過去最多の1,803人を記録しました。なかでも建設業は死傷者292人・死亡者5人と、死亡者数は全業種ワースト1となっており、猛暑対策は施工管理者・現場監督にとって「やっておきたい取り組み」から「対処しなければならない課題」へと変わりつつあります。
こうした状況を受け、国土交通省は2025年12月に「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」を策定しました。2026年夏に向けて、工期設定・費用計上・技術導入のあり方を大きく変えようとしています。
この記事では、以下について解説します。
「猛暑対策サポートパッケージ」とは何か、策定の背景と法的位置付け
施策の具体的な内容と、施工管理者が押さえるべきポイント
全国の建設現場における猛暑対策事例
夏季休工・DX活用などで建設業の働き方はどう変わるか
費用計上・工期延長など、現場ですぐ使える実務情報
施工管理者・現場監督として2026年の夏に向けた準備を始めたい方や、建設現場での猛暑対策をどう進めればよいか迷っている方の参考になれば幸いです。
「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」とは?
「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」とは、激甚化する猛暑から建設現場のフィールドワーカー(現場従事者)を守り、安全な作業環境を確保するための包括的な支援策です。
猛暑期間の休工や熱中症対策費用の確保、最新技術の導入によるフィールドワーカーの負担軽減などが主な柱となっており、2025年(令和7年)12月23日に策定されました。
サポートパッケージが策定されたのは2025年末ですが、国土交通省直轄の土木工事においては、これまでもi-Construction 2.0による遠隔施工や、猛暑日を考慮した工期設定が促進されてきました。
なかでも、猛暑期間に工事を計画休止する「夏季休工」については、関東地方整備局の宇都宮国道事務所が2024年から試験導入し、その成果をもとに民間工事・地方自治体への普及が進められています。
【関連記事】i-Construction 2.0とは?現場で実践すべきことや取り組み事例について
【参考】国土交通省「「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」を策定しました」
【参考】国土交通省「i-Construction 2.0 ~建設現場のオートメーション化~」
【参考】国土交通省 関東地方整備局「「猛暑を避けた働き方改革・担い手確保」の取組みについて」
【参考】讀賣新聞オンライン「真夏の土木工事に1~2か月程度の「夏季休工」導入へ…国交省が猛暑対策で試行、早朝・夜間工事も推進」
策定の背景と目的
「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」策定の背景には、熱中症被害の深刻化と建設業の担い手不足という2つの課題があります。
熱中症被害の深刻化:2025年、建設業の熱中症死傷者は292人・死亡者5人で、死亡者数は全業種ワースト1。死傷者全体は過去最多を記録
担い手不足の解消:他産業に比べて過酷な労働環境が、若者や転職希望者の参入障壁になっている。猛暑対策を改善することで担い手確保につなげる狙い
罰則はある?法的根拠を確認
「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」自体に罰則はありません。ただし、「職場における熱中症対策」については、2025年(令和7年)6月1日から罰則付きの法的な義務化が始まっています。
| 罰則 | 6ヶ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(労働安全衛生法第119条) |
| 根拠法令 | 労働安全衛生法 第22条 労働安全衛生規則 第612条の2(施行:2025年6月1日) |
| 義務の内容 | ① 熱中症のおそれがある作業者を早期に発見するための体制整備 ② 熱中症の重篤化を防止するための措置手順の作成 ③ 体制・手順の関係作業者への周知 |
サポートパッケージへの対応は今は任意となっていますが、義務化された熱中症対策と組み合わせることで、法令リスクの低減と担い手確保の両立が図れるでしょう。
【関連記事】熱中症対策の罰則付き義務化が施行!企業が押さえておくべき対策とポイント
【参考】厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」
【参考】e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
【参考】e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」の4つの施策・取り組み
「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」は、以下の4つの柱から構成されています。
- 猛暑期間・時間の作業回避
効率的な施工・作業環境の改善
猛暑対策に必要な経費等の確保
地方公共団体・民間発注者等への周知・要請、好事例の横展開
1. 猛暑期間・時間の作業回避
「暑い時期や時間帯は、そもそも現場を動かさない」という発想の転換が、サポートパッケージにおける根本的なアプローチとなっています。以下をはじめとする計画的な作業休止を、発注段階から工程に組み込むことが推奨されています。
- 猛暑期間を回避した工事発注・工期設定
夏季休工を可能とする工期設定(発注段階での余裕期間確保)
特記仕様書に「猛暑期間中の現場施工回避について協議できる」旨を明記
猛暑時間帯(主に11時〜15時)を避けた作業スケジュール(早朝繰り上げ・昼休み延長)
1年単位の変形労働時間制による、繁忙期・閑散期を考慮した柔軟な勤務体制
施工管理者が押さえるポイント
特記仕様書に「猛暑期間中の施工回避協議」の記載があれば、受注者側から工程変更を申し出やすくなります。発注時の条件を事前に確認しておきましょう。
2. 効率的な施工・作業環境の改善
自動化技術・バイタルチェック機器・冷房付き建機といった最新技術の導入支援を通して、効率的な施工や作業環境の改善が推進されています。
国土交通省が整備・運営するデータベース「新技術情報提供システム(NETIS)」には、以下のような猛暑対策技術が多数登録されています。どのような技術があるのか、導入前に確認してみるとよいでしょう。
3. 猛暑対策に必要な経費等の確保
「熱中症対策にお金をかけたくても予算がない」という現場の声に応えるのが、この施策です。積算基準の見直しにより、塩飴・経口補水液・空調服・熱中症対策キットなどの費用を工事費に適切に上乗せできるようになりました。
| 変更内容 | 「現場環境改善費(率計上)」から避暑・避寒対策費を切り離し、同費の50%を上限に設計変更が可能に |
| 対象設備・物品 | 遮光ネット・大型扇風機・製氷機・日除けテント・ミストファンなど |
【関連記事】屋外作業の熱中症を防ごう!建設現場の熱中症対策グッズ&ウェア9選
【参考】国土交通省「令和7年度 国土交通省土木工事・業務の積算基準等の改定」
【参考】国土交通省 中国地方整備局「熱中症対策に資する現場管理費の補正について」
4. 地方公共団体・民間発注者等への周知・要請、好事例の横展開
国土交通省直轄工事だけでなく、民間工事・地方自治体にも同様の対策を波及させる取り組みです。具体的には、以下の3点が求められています。
工期における猛暑日考慮の徹底(民間・自治体への要請)
好事例の横展開(事例集の配布・研修会の実施)
「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」による業界全体の底上げ
建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度とは
「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度(職人いきいき宣言)」は、技能者の処遇改善に取り組む事業者が、その姿勢を内外に宣言する制度です。
事業者の適切な評価や受注機会の確保、建設業全体における処遇改善の推進などを目的とした枠組みになっており、具体的な宣言内容が国土交通省のサイト上で公開されます。
自主宣言の例
・共通:宣言企業との取引優先、CCUSの利用環境整備
・元請・発注者:適切な工期や労務費の設定
・下請:技能レベルに応じた賃金制度の構築、週休2日制
宣言には「工事現場ごとに適した熱中症対策を導入する」などの猛暑対策を盛り込む企業も増えており、その注目度の高さがうかがえます。
【関連記事】建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?導入メリットや事業者登録の流れなどを解説
【参考】国土交通省「建設技能者を大切にする企業の自主宣言 【愛称】職人いきいき宣言」
建設工事における猛暑対策事例10選
「猛暑対策サポートパッケージ」に沿った行動をするためには、具体的にどのような施策を実施すればよいのでしょうか。
国土交通省の「建設工事における猛暑対策事例集」から、参考になりそうな「猛暑期間・時間の作業回避」と「効率的な施工・作業環境の改善」の事例を、それぞれ5件ずつピックアップしました。
猛暑期間・時間の作業回避の事例5選
工期・スケジュールを調整し、暑さそのものを避けるアプローチです。設備投資が不要なものも多く、検討しやすい対策と言えるでしょう。
「夏季休工」の実施|関東地方整備局 宇都宮国道事務所
猛暑期間(7・8月)を内業または準備期間とし、現場作業を休工する「夏季休工」の事例です。建設業界や社会構造自体を変革させるモデルケースを目指しています。
施策のポイント
・猛暑期間(7〜8月)を内業または準備期間とすることにより、現場作業を休工
・猛暑期間の現場施工の回避について協議できる旨を、特記仕様書に明記
実施の効果
・フィールドワーカーの熱中症・夏バテを予防
・お盆期間が休工となり、家族との時間を確保することでワークライフバランスが向上
・猛暑期間は舗装の品質管理が難しいため、避けることにより品質管理にも寄与
【参考】国土交通省「建設工事における猛暑対策事例集」(p4)
【参考】国土交通省 関東地方整備局「「猛暑を避けた働き方改革・担い手確保」の取組みについて」
猛暑日を算出し、契約延長を協議|群馬県
工期内における実際の猛暑日日数を自動計算した上で、当初設定した標準的な猛暑日日数と比較できるアプリを群馬県が独自開発。従来は環境省のウェブサイトから手作業で収集していたWBGT値(暑さ指数)を自動取得できるようにしています。
また、協議書もアプリで自動作成できるようになっており、現場の業務負担を軽減しています。客観データに基づいて受発注者間で工期延長交渉ができる仕組みを構築できているのが、着目すべきポイントと言えるでしょう。
施策のポイント
・工期内において、猛暑日を加味した延長可能日数を自動算出するアプリを開発
・アプリを活用して協議書などを自動作成
実施の効果
・現場の業務負担を大幅に軽減
・アプリの使用により工期変更フローを簡略化し、効率的な働き方を実現
【参考】国土交通省「建設工事における猛暑対策事例集」(p3)
作業開始時間の前倒し|近畿地方整備局淀川河川事務所
受注者と監督員協議の上、作業の開始時間を前倒しすることで、最も死傷者発生数が多い15時台を回避する取り組みです。朝6時台から作業を開始し、15時台より前には終業する体制への切り替えを実現させました。
事例集には、ほかにもサマータイム・クールワークタイムと組み合わせた事例も掲載されています(p8)。
施策のポイント
・最高気温に達する前の早朝へ作業時間帯をシフト
・サマータイム・クールワークタイムとの組み合わせも可能
実施の効果
・猛暑時間帯の屋外作業を回避し、熱中症リスクを低減
・早朝の高い作業効率を活かし、施工量を維持
【参考】国土交通省「建設工事における猛暑対策事例集」(p5)
休憩時間の延長|沖縄県
本事例では、猛暑日には休憩時間を延長かつ実作業時間を短縮し、気温が下がった時期をみて残業を実施。必要な労働時間を確保しつつ熱中症のリスク回避を行いました。
施策のポイント
・猛暑日は昼休憩を1時間延長し、実作業時間を1時間短縮
・その分、気温が下がった時期に1時間程度の残業を実施
実施の効果
・猛暑時間帯の作業を回避することで、午後からの作業効率が向上
・必要な労働時間を確保しつつ、フィールドワーカーの熱中症リスクを低減
【参考】国土交通省「建設工事における猛暑対策事例集」(p6)
施工場所の工夫(日陰・夜間施工の活用)|九州地方整備局 長崎河川国道事務所
山地部を夏期、平地部を夏期以外に作業することで、夏期においても比較的気温が低い環境で作業ができるよう、施工時期を工夫した事例です。特別な設備投資が不要で、計画段階から取り組める点が特徴です。
施策のポイント
・比較的気温の低い山地部は夏期に、平地部は夏期以外に作業
実施の効果
・追加設備なしでフィールドワーカーの体調管理に寄与
・休憩時間の短縮により、作業効率が向上
【参考】国土交通省「建設工事における猛暑対策事例集」(p7)
効率的な施工・作業環境改善の事例5選
技術・設備の導入によって、暑さの中でも安全に働ける環境をつくるアプローチです。費用は現場環境改善費として工事費計上できるものも多く、積極的に活用したい施策群と言えるでしょう。
遠隔自律型システムの活用|中部地方整備局 新丸山ダム工事事務所
大型ダム工事において、遠隔操作が可能な自律型建機を導入した事例です。炎天下でもフィールドワーカーが屋外で重機を操縦する必要がなくなり、熱中症リスクの低減に成功しています。
施策のポイント
・遠隔操作可能な自律型建機を導入し、屋外操縦を不要に
・熟練した作業員の運転技術を自律運転で再現
実施の効果
・炎天下でのオペレーター業務を室内化し、熱中症リスクを大幅に低減
・作業の自動化により人手を大幅に軽減
・自動制御やリアルタイム管理により、均一な品質を確保
【参考】国土交通省「建設工事における猛暑対策事例集」(p11)
工事車両運行管理アプリの活用|東北地方整備局青森河川国道事務所
土量進捗管理アプリ及び車両運行管理アプリを使用し、工事の進捗を把握することで現地作業を最適化した事例です。作業状況がリアルタイムに把握できるため、適切な指示を可能としたほか、交通誘導警備員の待機時間の短縮により熱中症予防に寄与しました。
施策のポイント
・工事車両の運行をアプリでリアルタイム管理
・不要な待機・移動を削減
実施の効果
・フィールドワーカーの屋外待機時間を短縮し、熱中症リスクを低減
・リアルタイムで工事進捗を把握することで現地作業を常に最適化
【参考】国土交通省「建設工事における猛暑対策事例集」(p12)
遮光ネットとミストファンの配置
休憩スペースに遮光ネットを設置してWBGT値(暑さ指数)を下げ、ミストファンを組み合わせることで体感温度を低下させた事例です。
これらのツールは、積算基準の改定により現場環境改善費として工事費への計上が可能になったことで、元請会社の負担が軽減され、より導入しやすくなっています。
施策のポイント
・遮光ネットで直射日光を遮断し、WBGT値の低下に寄与
・ミストファンと組み合わせて体感温度をさらに低減
実施の効果
・日陰での一時的な休息ができる
・フィールドワーカーの体感温度を下げ、熱中症リスクの低減に期待
【参考】国土交通省「建設工事における猛暑対策事例集」(p18)
「技能労働者安全モニタリングシステム」の活用
ヘルメットに装着可能なセンサデバイスによって、生体情報と周囲の環境情報をリアルタイムで管理者がモニタリングするシステムです。
独自のアルゴリズムにより熱ストレスを算出し、本人ならびに管理者にアラートで通知されます。ただし、システムの過信による熱中症対策意識の低下には注意が必要と言えるでしょう。
施策のポイント
・センサデバイスで、フィールドワーカーのバイタルなどをリアルタイム管理
・熱中症の前兆段階でアラートを発し、早期対処を促進
実施の効果
・熱中症リスクを可視化し、症状を早期に発見
【参考】国土交通省「建設工事における猛暑対策事例集」(p19)
「かき氷キッチンカー」の現場巡回
ユニークな好事例として事例集に掲載されているのが、かき氷キッチンカーを現場に定期巡回させる取り組みです。
「クールダウンが体感できた」との声が上がっているほか、休憩取得の促進やコミュニケーションの活性化といった副次的な効果も報告されています。この費用の一部も、現場環境改善費として工事費に計上することが可能です。
施策のポイント
・かき氷キッチンカーを定期巡回させ、フィールドワーカーへ無料でかき氷を提供
・費用は現場環境改善費として工事費に計上可能
実施の効果
・フィールドワーカーがクールダウンを体感
・モチベーションの向上や、コミュニケーションの活性化にも寄与
・暑さ対策に取り組む姿勢の周知
【参考】国土交通省「建設工事における猛暑対策事例集」(p21)
猛暑における建設業の働き方はどう変わる?
「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」の導入によって、これからの建設業界の働き方は、データと柔軟性でリスクを避けるスタイルへと大きく転換することが予想されます。
「夏季休工」の標準化
想定される最も大きな変化が、夏季休工の標準化ではないでしょうか。お盆を含めた期間が休工となることでフィールドワーカーが家族との時間を確保でき、ワークライフバランスの向上にもつながります。
2026年夏に向け、国土交通省直轄工事では猛暑期間を一定期間休工可能とする試行工事が進められる予定です。「現場を止める」ことを前提とした工程管理が、発注段階から当たり前になる時代がすぐそこまで来ています。
さらに、猛暑日の日数が当初想定を超えた場合に工期を後ろ倒しできる、柔軟な契約形態も増えていくと見られます。かつて週休2日が「常識」へと変わったように、「夏季休工=安全管理の標準装備」という認識が業界全体に根付いていくでしょう。
サマータイムやシエスタ制度の導入
最も気温が上がる11時〜15時頃を作業休止とし、その分を早朝や夕方に振り分ける、いわゆる「シエスタ制度」も注目されています。朝5〜6時台からの早朝勤務と組み合わせることで、猛暑時間帯の屋外作業を大幅に減らすことが可能です。
これらの制度導入のハードルは決して高くありません。工程表の組み直しは必要ですが、設備投資が不要であることが最大の理由です。フィールドワーカーの体調管理と施工品質の両立を考えれば、変更のメリットは十分にあると言えるでしょう。
DXによる安全・健康管理の標準化
「職人の経験や勘」といった経験工学頼みの健康管理から、データに基づく管理へのシフトが加速していく流れも想定されます。具体的には、以下のような変化が現場に広がっていくでしょう。
ウェアラブルデバイスなどで心拍数・体温の上昇を検知し、本人も気づかない「かくれ脱水」をアラートで知らせる
現場に設置されたセンサーがWBGT(暑さ指数)を自動測定し、一定値を超えると管理者への通知や作業停止指示を自動で出す仕組みが一般化する
ウェアラブルデバイスの記録が、万が一の労災発生時の証跡としても機能するようになる
2025年6月施行の改正労働安全衛生規則でも「熱中症のおそれがある作業者の早期発見体制の整備」が義務内容として具体化されており、こうしたシステムは法令対応としても今後必要になっていくでしょう。
【関連記事】建設業は「経験工学」?メリット・デメリットやDXによる次世代への活かし方
【参考】厚生労働省「熱中症予防対策におけるウェアラブルセンサーの活用と効果的な熱中症予防法の検証」
現場のオフィス化
現場環境は、「がまんするもの」から「整備するもの」へ——そんな意識の転換も始まっています。
冷房設備付きの建機や空調完備の休憩コンテナなど、これまで「贅沢品」と見なされがちだった設備が、これからは標準装備になっていくでしょう。後押しするのが、サポートパッケージで打ち出された、現場環境改善費の拡充です。冷感インナーの配布や塩分補給飲料の提供なども、「企業の持ち出し」ではなく「工事費」として計上できる体制が整います。
費用計上の仕組みを把握しておくことで、現場環境の整備により積極的に動けるようになるでしょう。施工管理者として、ぜひ積算担当と早めに情報を共有しておきたいところです。
「猛暑対策サポートパッケージ」だけでは解決しきれない中長期的な課題
サポートパッケージは、2026年夏に向けた「今すぐできる対策」を中心にまとめた枠組みです。一方で、国土交通省自身も「中長期的な課題」として明記しているように、パッケージだけでは解決しきれない構造的な問題も残っています。
現場で働くフィールドワーカーに変化の恩恵を届けるためには、以下の3つの課題に業界全体で向き合っていく必要があるでしょう。
【参考】国土交通省「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ【概要版】」
日給制の技能労働者の年間総労働時間・賃金の確保
夏季休工は有効な熱中症対策ですが、広がれば広がるほど、日給制で働く技能者の収入が減るリスクがあります。休工期間中の所得補償や、冬季・繁忙期への労働時間の振り替えをどう設計するかは、業界全体で取り組むべき課題となっています。
1年単位の変形労働時間制の運用改善
繁忙期と閑散期を組み合わせた柔軟な勤務体制は、制度としては存在しますが、現場への浸透はまだ途上にあります。夏季休工と組み合わせて機能させるには、発注者・元請け・下請けが連携した運用の仕組みづくりが欠かせません。
猛暑日における作業のあり方の議論
「どれだけ暑ければ現場を止めるか」の判断基準は、まだ業界共通のルールとして確立されていないのが現状です。生命と安全を守るための明確な基準づくりが、今後の重要な論点となるでしょう。
まとめ:2026年夏に向けて、今すぐ動くために
「暑さは現場の当たり前」——そんな常識が、2026年の今まさに変わろうとしています。
「建設工事における猛暑対策サポートパッケージ」は、夏季休工の推進から費用計上の見直し、最新技術の導入支援まで、建設現場の働き方を根本から変えようとする取り組みです。2026年夏の試行工事を皮切りに、その動きは国土交通省直轄工事から民間・地方自治体へと広がっていくでしょう。
ただし、変化のメリットは、待っていれば自動的に届くものではありません。以下をはじめ、施工管理者・現場監督として今からできることを、改めて整理しておきましょう。
- 工期:特記仕様書の猛暑協議条項を確認し、夏季休工や早朝勤務を工程に組み込む
費用:現場環境改善費の拡充を積算担当と共有し、遮光ネット・ミストファン等を工事費として計上する
技術:NETISでWBGTセンサーやウェアラブルデバイスを検索し、試験導入を検討する
暑い夏を根性で乗り越える文化から、「データと制度で暑さをマネジメントする」新しいスタンダードへ。サポートパッケージはその第一歩となる取り組みです。工期・費用・技術の3点を今から見直しておくことが、現場、ひいては業界を守る準備となるでしょう。
監修者 涌井好文(わくいよしふみ)
涌井社会保険労務士事務所代表 社会保険労務士
2014年より神奈川県で社会保険労務士として開業登録を行い、以後地域における企業の人事労務や給与計算のアドバイザーとして活動を行う。また、社労士としての経験や労働安全衛生法の知識をもとに、職場における安全についても、周知・啓発を行い、働きやすく安全な職場環境の整備に努めている。
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- Start Date
- 2026/07/07
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『住宅施工の省力化・検査効率化 体験会』埼玉で開催
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ー 設計~施工~検査をデータでつなぐ ー
日程:2026年7月7日(火)10:00~17:00
会場:さいたま市産業文化センター 302会議室(埼玉県さいたま市)
参加費:無料(事前予約制)
主催:株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン
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『第1回 建設DX展+(プラス)』 に出展
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日程:2026年7月1日(水)~ 3日(金)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト 西展示場 西4ホール C3-64(東京都江東区)
主催:RX Japan 株式会社
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