- Start Date
- 2025/08/27
- End Date
- 2025/08/29
- Event Details
-
日程:2025年8月27日(水) - 29日(金)10:00~17:00
会場:インテックス大阪(大阪府大阪市)
主催:RX Japan 株式会社
- URL
- /content/topcon-pa/jp/ja/events/2025/japan-build-osaka.html
- Target
- _self
ICT施工活用事例
ICTが建設業界の未来を拓く!
誰でも高効率で高品質。昔とは違う施工現場の現状。
3Dデータと数多くのICT機器を使いこなし、大いに生産性を向上し優れた施工品質を実現した会社がある。群馬県渋川市の株式会社南雲建設様だ。トータルステーション、GNSS測量機、3Dレーザースキャナー、各種ICT建機など様々な機器を、”どんな場面で、どのように”活用されているのかについて伺うことにした。
“i-Constructionだから”ではなく。
同社は、主に群馬県発注の工事を中心に手掛けている、地域に強く根差した建設会社。国土交通省発注の、いわゆるi-Construction仕様の工事は受注していない。それでも、なぜここまでの設備を揃えているのか。取締役専務の福島聡(ふくしまさとし)様は、「現場の生産性を最大限に引き上げたいという想いからです。単に”i-Constructionに対応したいから”ではありません。ですから、規模の大小にかかわらず、どんな工事でもフルに活用しています」
それでは、実際どのように使われているのかを詳しく伺うことにしよう。
いかなる現場もICTフル活用。
作業の詳細をお話いただくのは、取締役土木部長の片野光男(かたのみつお)様。

「まず測量に関してですが、主に3Dレーザースキャナー『GLS-2000』で測っています。取得した点群データから面を作り管理ができるため、以前に比べて大幅に作業時間が短縮できていると実感しています」。面管理が可能になったことで、正確な土量のボリューム計算や、任意の断面形状を簡単に確認できるようになったことが要因とのこと。
以前にUAVも検討されたが、天候や現場の環境で制約を受けることから、「現場での3次元計測は『GLS-2000』が最適」と感じられたそう。現在では、ほとんどの発注工事で、着工前測量や出来高計測、出来形計測に使用、加えて観測から解析、そして3D設計データの作成まで全ての業務を自社内で行える体制も整ったことも相まってスピーディーに3次元計測を行えている。

続いては施工での場面、特に造成現場について。同社では大規模な道路工事のみならず、圃場整備にまで3D-MCドーザーシステムを活用しているという。「3D-MCドーザーなら、若手社員でも熟練オペレーター並みの精度で施工できますし、丁張も最小限に済む。従来に比べれば、安定した高い施工品質を得られていますし、大幅に作業性の向上が実現できています」。
3D-MCドーザーシステムは、大小2つのブルドーザーに装着しており、センサーもGNSSとトータルステーション両方に対応するハイブリッドなシステムを組まれており、高さの要求精度や、現場の上空視界などの環境によって組み換え、使い分けられている。

小規模な土工で3D-MCシステムを活用する際には、課題もある。「基準点が無いことも多々あるのです」。そんな場面では、GNSS受信機『HiPer V』とデータコレクタ用アプリケーション『Pocket-3D』や『監督さん.V+GNSSオプション』で、自ら基準点を作る測量から始め、現地座標のローカライズも行うそうだ。

自動追尾トータルステーション『GT』も、現場には欠かすことのできない測量機。「1台2役の頼もしい相棒ですね。まずはワンマン測量ができること。従来のトータルステーションに比べて小型軽量なところが良いですし、リモートコントロールシステム『RC-5A』があるのでプリズムのロストを全く気にしなくて良く、作業がスムーズです。特に道路工事などの現場では、その場で路線計算をしながら作業ができますので『GT』は助かります。2つ目は3D-MCのセンサーとして。高さ精度を必要とする現場や上空の狭い山間部などの現場では、『GT』をセンサーにしています」

そしてもう1つ、最近導入されたシステムが、油圧ショベルのバケットに抱えた材料の重量をリアルタイムに計測するバケットスケール『LOADEX 100』だ。
「ダンプトラックで現場から土を運び出す際、今まではトラックスケールに載るまで重量が分からなかったため、どうしても少な目に積んでいました。『LOADEX 100』はダンプトラックにどれだけ積んだかリアルタイムで分かりますので、効率的に運搬できるようになりました。また、土砂なら、おおよその重量は経験から見た目で想像できますが、コンクリート廃材など隙間の多いものは、判断が難しいです。こういったものを積むときにも、大変重宝しています。そして、手持ちの油圧ショベルに装着できるところが良いですね」とこちらも高評価だ。

検査には専ら杭ナビ『LN-100』を使う。理由は、応答速度がとても速いこと。「『LN-100』と連携している建設システム社製アプリケーション「快測ナビ」には、3D設計データを取り込むことができるので、設計との比較が素早く簡単です。検査官が立ち合われる時など、点ではなく面管理で観測しますから、現場のイメージが伝わりやすいことは大きなメリットです」。事前に設計データを十分に精査する必要があるようだが、『LN-100』は操作性の簡便さから若手社員に任せているそうだ。
「社員は皆3Dデータを取り扱えますし、これら全ての機材を自社で所有していますから、いつでも使えます。経験や知識が増えると、今までと違った用途や工夫など、新しい発想が生まれます。ですから、業務の幅も広がってくるのです」と片野部長。自社で3D設計データを作成し、あらゆるICT機器を備えることで、素晴らしい成長スパイラルをもたらしていることが伺える。
建設業界の未来のために。
同社の先進性は、発注元からも評価が高い。現に近年では、ほぼ毎年の群馬県知事表彰に留まらず、多数の業務表彰を受けられていることが、その表れであろう。現場を見学に来られることも多いと聞く。
福島専務は「評価いただいていることは、大変うれしく思っています。これからの建設業界は、ICTが当然になってくるでしょう。我々は、”他人のやらないことに積極的に挑戦する”を合言葉に、また”施工規格の50%以内に収める”を社内目標にして日々の業務に取り組んでいます。生産性や品質の向上が図れるのであれば、これからも絶えず最新設備を導入していきます」と意気揚々だ。片野部長は、「今の建設業界は先進的な機材も使うし、3D化も進んでいる。昔とは様相が変わってきていることをアピールし、若い人へ魅力的な業界であることを伝えていきたいですね」
チャレンジ精神旺盛な南雲建設様。これからも、同社の動向に目が離せない。
※ i-Constructionは、国土交通省国土技術政策総合研究所の登録商標です。
インタビュー対象者
ユーザ名:株式会社南雲建設
URL:http://nagumokensetsu.co.jp/
使用機種: 3Dレーザースキャナー GLS-2000
3D-MC GNSSドーザー Z53
3D-MC TSドーザー Z53
GNSS受信機 HiPer V
Geodetic Total Station GT-1005
リモートコントロールシステム RC-5A
データコレクタ用アプリケーション
監督さん.V+GNSSオプション
Pocket-3D
バケットスケール LOADEX 100
レイアウトナビゲーター LN-100
取材協力:株式会社ソッキテック
URL:http://www.sokitec.co.jp/
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- Event Name
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『DXソリューションフェア2025』
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土木・建築・測量セミナー&展示会日程:2025年7月29日(火) 9:00~17:00、30日(水) 9:00~16:30
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- URL
- https://jtch-info.com/dx2025/
- Target
- _blank
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-
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日程:2025年7月24日(木)25日(金)10:00~17:00
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参加費:無料(事前予約制・先着順)
主催:株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン
- URL
- /content/dam/topcon-pa/jp/ja/event/2025/rakuichi-minidemo/rakuichi-minidemo-July-sendai.pdf
- Target
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