- Start Date
- 2025/06/18
- End Date
- 2025/06/21
- Event Name
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第7回 国際 建設・測量展(CSPI-EXPO 2025)に出展
- Event Details
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日程:2025年6月18日(水) - 2025年6月21日 (土)
会場:幕張メッセ 1~6ホール・屋外展示場・屋外展示場ANNEX
主催:国際 建設・測量展 実行委員会
- URL
- /content/topcon-pa/jp/ja/events/2025/cspi-expo-2025.html
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DX
パワーアシストスーツとは?建設業の導入状況や事例などを紹介

重い物を運んだり上げ下げしたりする建設のフィールド(現場)では、すべてのフィールドワーカー(現場従事者)が無理なく作業できるよう、体力をサポートする環境づくりが重要です。
その環境づくりを担う施策のひとつとして、パワーアシストスーツ(PAS)の導入が注目され始めているのはご存じでしょうか。
パワーアシストスーツとは、着用者の動きをサポートする衣服や着用型装置のことです。建設業界においては、国土交通省より、2020年から導入推進が検討されています。
この記事では、パワーアシストスーツの概要やメリット、導入に使える補助金といった基本を紹介します。また、電気を使わず空気圧で着用者の動きをサポートする「マッスルスーツ Every」を販売する株式会社イノフィスへ、パワーアシストスーツの導入状況や事例などについてお話を伺いました。
従業員が長く健康に働き続けられる環境づくりのためにも、パワーアシストスーツの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
パワーアシストスーツ(PAS)とは?導入のメリット

パワーアシストスーツ(PAS)とは、着用者の動きや力をサポートする着用・装着型の装置のことです。
パワーアシストスーツを着用することで、荷物の持ち運びや上げ下ろしの際に体にかかる荷重を分散でき、腕や腰の筋肉にかかる負担を軽減することが可能です。そのため、主に力仕事や立ち仕事での活用が期待されています。
ひと口にパワーアシストスーツと言っても、その動力源や形状はさまざまです。国土交通省が公開している「パワーアシストスーツ現場検証事例集」の「用語の説明」において、その種類は大きく以下の5つに分類されています。
パワーアシストスーツ(PAS) | ゴム、バネといった素材の伸縮力や電動モーターなどを活用し、身体を用いた作業をサポートするスーツ類。作業者の負担を軽減できる。 |
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パッシブスーツ | ゴム、バネといった素材の伸縮力や空気圧で助力を得るタイプのPAS。 |
アクティブスーツ | 電動モーターなどで助力を得るタイプのPAS。 |
身体フィット型 | 着衣に近い形状なのが特徴。かさばりが少ない形で装着できる。 |
外骨格型 | 堅いフレームなどを配置し、腰、腿などをサポートする構造のもの。 |
【参考】国土交通省「パワーアシストスーツ現場検証事例集」
これらは一般的にパワーアシストスーツと総称されており、いずれも着用者の動きをサポートするための装置であることには変わりありません。種類や製品によって補助力は異なるものの、農林水産省が定義する「アシストスーツ」の概要を見ると、20kgのコンテナ持ち上げ時には10~30%の力をパワーアシストスーツによって補助できるとされています。
パワーアシストスーツの着用によりフィールドワーカーの疲労が軽減されれば、従来よりも長時間の作業が可能になり、作業効率の向上が期待できるでしょう。 また、腰痛や肩こりといった健康問題の軽減や、集中力の持続による安全性向上も見込めます。
建設業でパワーアシストスーツの導入が推進される背景

パワーアシストスーツは介護や製造、農業などの業界で導入が進みつつありますが、建設業(土木・建築業)においても、国土交通省の取り組みのもとに導入が推し進められています。
2020年(令和2年)には、産学官関係者によるICT導入協議会のもとに「建設施工におけるパワーアシストスーツ導入に関するWG」が設置され、業界への導入に向けた検討が重ねられました。2022年(令和4年)には「パワーアシストスーツ現場検証事例集」の発表があり、効果が期待できる施工工種や、現場検証を経た評価、留意点などがまとめられています。
国土交通省は、同事例集内「事例集の目的」において、パワーアシストスーツを用いた作業は以下の問題解決が期待でき、就業寿命の長寿化や生産性向上に貢献するものとしています。
・作業経験の浅さから生じる過度な身体疲労や、負傷の危険性増大を原因とする、新規入職者の減少
・加齢による筋力低下や、作業持続性の低下にともなう作業効率の悪化
人手不足が続く建設業において、これらの問題解決は急務と言えます。パワーアシストスーツの導入は、その問題解決の一端を担う取り組みとして進められていると考えてよいでしょう。
パワーアシストスーツ導入に使える補助金
導入推進が進められる中、パワーアシストスーツの導入・購入に使用できる補助金制度も拡充しています。2025年(令和7年)4月現在も実施されている代表的な制度としては「ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)」が挙げられるでしょう。
ものづくり補助金は、全国中小企業団体中央会による補助金制度で、全国の中小企業や小規模事業者が生産性向上のために行うさまざまな取り組みが支援対象となっています。事業計画の審査を受けて補助対象事業として認められれば、小規模事業者は3分の2の補助率で1,000万円を上限として補助を受けることが可能です。
パワーアシストスーツの購入は生産性向上につながる取り組みとして考えられているため、公式サイトにはパワーアシストスーツ(パワードスーツ)の導入事例も掲載されています。
また、厚生労働省の「令和7年度 雇用・労働分野の助成金のご案内 (簡略版)」によると、2025年度も「エイジフレンドリー補助金」が実施され、60歳以上の高年齢労働者に向けたパワーアシストスーツの導入が補助対象となっています。
エイジフレンドリー補助金では、申請が認められると、100万円を上限として対象経費の2分の1または4分の3の金額が補助金として支給されます。
補助金制度を利用してパワーアシストスーツの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
2025年の導入状況や事例など|マッスルスーツ Every

さまざまな業界で導入が進みつつあるパワーアシストスーツ。使用目的や用途別に多くの製品が展開されています。
その中でも、空気圧の力で着用者の動きをサポートする「マッスルスーツ Every」を開発、販売している株式会社イノフィスに、パワーアシストスーツの導入状況や事例などについてお話を伺いました。
「マッスルスーツ Every」とは

「マッスルスーツ Every」は空気圧を利用した人工筋肉型のパワーアシストスーツです。付属のポンプで空気を送り込み、リュックサックのように背負って使用します。
人工筋肉とは、チューブに空気を入れることで人間の筋肉のような動きをする装置のことです。電力やバッテリーを必要としないため、屋内外を問わずさまざまな場所で使用できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
また、マッスルスーツ Everyはシンプルなパーツ構造のため軽量で、電動製品と比較して価格が抑えられているのも特徴として挙げられます。
2025年現在、マッスルスーツ Everyには「ソフトフィット」と「タイトフィット」の2つのタイプが展開されています。移動作業の多い建設現場では、腿(もも)パットに遊びがあって歩きやすい「ソフトフィット」が人気です。
イノフィス担当者の声:
パワーアシストスーツの動力源は、電気やモーター、バッテリーなどさまざまです。そのような中、マッスルスーツ Everyは「外骨格を持った人工筋肉型パワーアシストスーツ」として、2019年に登場しました。
パワーアシストスーツ全体の傾向を見ても、稼働時間や動きに制限のある電動タイプは年々減少しており、空気やゴム、バネの力を動力源とした、個人の方でも手が届きやすい価格帯の製品が増えています。
パワーアシストスーツの導入状況

パワーアシストスーツは、介護業界で認知度・導入率が高まった後、製造業や農業でも広がりを見せ、現在は建設業での導入が進みつつあります。
介護・製造・農業の3業種に比べると、建設業におけるパワーアシストスーツの認知度はまだ高いとは言えません。しかし、国の施策により3業種での導入が加速したことを鑑みると、建設業でもその認知度・導入率は高まっていくでしょう。
イノフィス担当者によると、パワーアシストスーツは大企業のみならず、従業員10名以下の企業でも広く導入されているといいます。
イノフィス担当者の声:
マッスルスーツ Everyを購入される建設業のお客様は、いわゆる「一人親方」と呼ばれる個人事業主の方も目立ちます。「1人でも欠けたらやっていけない」「自分が腰を痛めたら終わってしまう」といったお悩みを抱えている方は決して少なくありません。
土木のフィールドワーク(現場の仕事)は下を向いて行う作業が多く、腰を痛めやすい傾向にあります。そのため、マッスルスーツ Everyをはじめとする「動きをアシストして腰をサポートするタイプのパワーアシストスーツ」は、作業との相性が良いと言えるでしょう。
イノフィス担当者の声:
職人さんの中には「マッスルスーツ Everyを使う前は、仕事が終わってから疲れて寝ているだけだったけれど、そんな生活からようやく離れられた。もうEveryなしでは仕事できない」と話す方もいらっしゃいます。
土木・建設業は工事の種類が多様であるため、パワーアシストスーツの使用が適している作業、適していない作業というのはどうしてもありますが、マッスルスーツ Everyはブロックの運搬やコンクリートの打設作業などの中腰姿勢を長時間維持する作業との相性が良いため、ぜひご活用いただきたいです。
作業負担を減らして業務効率化|「マッスルスーツ Every」の導入事例

土木・建設会社と農業法人の、実際の導入事例を紹介します。
作業効率や企業イメージの向上に寄与|松本組
兵庫県を拠点とする株式会社松本組は、高齢・若年技能者の作業負担を平準化し、職場環境を改善するためにマッスルスーツ Everyを導入した土木・建設会社です。
松本組では建設業における重作業イメージを変えるべく、日頃から新技術の導入を積極的に行っていました。そのような中、パワーアシストスーツの中でも「手頃な価格」「電力不使用」「軽量」の3点が揃っていたことから、マッスルスーツ Everyの導入に至ったといいます。
結果として、フィールドワーカーの腰痛や筋力不足による負担が軽減され、現場作業の効率が向上しました。さらに、安全で快適な労働環境が評価され、公共工事の「工事成績評定」で高得点(88点)を獲得。同業界内での競争力ならびに企業イメージの強化にもつながっています。
長時間の中腰姿勢による作業負担を改善|ユニオンファーム

茨城県の株式会社ユニオンファームは、大規模な有機栽培を行う農業法人です。広大な農地を管理しながら、年間を通じて多様な有機野菜を生産する同社にとって、効率的な運営と従業員の健康維持は重要な課題でした。
ユニオンファームの従業員は、多くが40代後半以上で、最年長では70代のパート従業員も活躍しています。しかし、春菊の収穫やキャベツ畑の草取り作業では、長時間かがんだまま作業を続ける必要があり、従業員の疲労や腰痛の原因となっていました。
こうした背景から、ユニオンファームでは作業の負担を軽減し、従業員が長く健康に働ける環境を整えるため、マッスルスーツ Everyの導入を決定しました。
導入にあたっては、社長自身が展示会での試着を通してその効果を体感し、「これなら現場で活用できる」と確信したと言います。現在は、10台のマッスルスーツ Everyが農作業現場で従業員の作業をサポートしており、従業員の健康を守りながら生産性ならびに収益性の向上を実現しています。
アシストスーツ協会が描く未来

2023年には一般社団法人アシストスーツ協会が立ち上がり、イノフィスも加盟企業として参画しています。
同団体では、パワーアシストスーツの体験展示会である「アシストスーツEXPO」をはじめ、さまざまなメーカーのパワーアシストスーツを知り、試すことができるイベントや取り組みに力を入れているといいます。
イノフィス担当者の声:
建設業におけるパワーアシストスーツの認知度はまだ高くありませんが、使える作業がある以上、必要とする人は多いと確信しています。将来的には、登場当初は珍しいものだったファンジャケットのような位置付けとして、多くの方にご使用いただきたいと考えています。
実際にご使用いただいている方の中は、マッスルスーツ Everyのみならず、サポータータイプの「マッスルスーツ Soft-Power(ソフトパワー)」や、フルハーネス対応の「マッスルスーツ HARNESS PLUS(ハーネスプラス)」を、現場や状況によって使い分けている方も少なくありません。フィールドワークによる腰のつらさにお悩みの方は、ぜひ一度お試しください。
パワーアシストスーツを活用して長く安全に働ける環境づくりを
さまざまな業界での導入が進むパワーアシストスーツは、重労働の負担軽減や安全性向上を実現する革新的な製品です。
導入が進む背景には、フィールドワーカーの高齢化や若年労働力の不足といった各業界特有の課題があり、パワーアシストスーツはその解決の一端を担う存在となっています。建設業での認知度や導入率はまだ決して高くないものの、業界課題を考えると、今後の広がりが期待できるでしょう。
従業員が長く健康に働き続けられる環境づくりを実現し、安全性や作業効率を向上させるためにも、パワーアシストスーツは手助けとなるギアと言えます。
マッスルスーツ Everyは、トプコンソキアポジショニングジャパンでも取り扱いがございます。代理店様経由もしくは直接販売でお試しいただけますので、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
「マッスルスーツEvery」こちらもご覧ください。

協力 清水大真(しみずだいま)
株式会社イノフィス マーケティング・広報担当
東京理科大学発スタートアップのイノフィスで、アシストスーツのマーケティング・広報全般を担当。同製品市場の認知拡大・普及のため導入事例などを積極的に発信している。
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イベント
- Start Date
- 2025/04/09
- End Date
- 2025/04/10
- Event Name
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『第55回 岩崎トータルソリューションフェア 2025』
- Event Details
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イノベーションを実現するTech&Solutions
日程:2025年4月9日(水)9:30 ~ 17:00、10日(木)9:00 ~ 16:00
会場:アクセスサッポロ(北海道札幌市)
主催:株式会社岩崎
- URL
- https://fair.iwasakinet.co.jp/itsf2025/
- Target
- _blank
- Start Date
- 2025/04/08
- End Date
- 2025/04/09
- Event Name
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(株)水上洋行『感謝祭 建設DXフェア―』
- Event Details
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日程:2025年4月8日(火)9日(水)9:30 ~ 17:00
会場:福岡国際センター(福岡県福岡市)
主催:株式会社水上洋行
- URL
- https://mizukami-abroad.co.jp/dxfair/
- Target
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